一日限定カップル〜10年後〜
7.その手の温もり
あっという間に最終日。



「おはよう」

私が出勤する時間にはもう尚志は仕事をしている。

それでも尚志は私を見つめて、微笑んで

「おはよう」

と言ってくれた。



これも、今日で最後。



10年前は挨拶もろくにしなかった尚志。

あの時は人前での照れが酷くて、二人だけだと挨拶したり…



今ではもう、人前でもきちんと挨拶をして、会話も平気でするようになった。
アカリみたいな子の面倒もちゃんと見ていて。



成長したよね。



いつの間にか、うんと大人になっていた尚志。



目の前でそれを見た私も、頑張らなくっちゃ。

そう思う。

明日からまた仕事を探そう。
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