一日限定カップル〜10年後〜
「ねーさん、お疲れ様でした!!」

私の勤務が終わる12時半前にアカリが帰ってきた。

相変わらず、彼女は元気だ。

「こちらこそ、ありがとう」

そう言うとアカリはニコニコと笑った。

「塩野さんと上手くいくといいね」

耳元でコッソリと呟くとアカリは顔を真っ赤にして

「にーさんが言ったんですか!!!」

と、大絶叫した。

「違うわよ、私がそう思ったの」

「えー!!」

アカリは目を見開いて驚いている。



「ああ…」

そこへ環が帰って来て、ちょうどチャイムが鳴った。

放送が入って、短期バイトの勤務終了が告げられた。

「もうすぐ、尚志は帰ってくると思うけど、待っていたら?」

環は防寒着を脱ぎながら私に言う。

私は首を横に振って

「挨拶は朝にしておいたから」

そう告げた。
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