編集後記
記憶。
それは僕、斎藤渓と鈴木孔先輩の話。
出会い。
文系サークル・優柔不断。
書評サークルとも呼べるその集まりの部員は、10人程度だった。
やる事と言ったら、本を読む・書評を書く・アップする・感想を述べ合う、だけだった。
その中で一番重点を置いていたのが、感想を述べ合うだった。
当然、本の虫の集まりであって、その拘りやら蘊蓄は滔々と語られるのは勿論であり、論議を重ねたにしろあい交える事は無いのに、延々と続くのだ。
その中でも、まともそうだったのが鈴木先輩だった。
その語りの中でも、一番記憶に残っているモノは、書評サークルの一員である鈴木ですら読んだ事のない代物だった。
何故なら、その本を読んでいたなら、世界に打って出るだけの価値があり、こんな所で大学生などやってない、と力説していた。
その書の名は“覇王の書”。
それに目を通せば、どういう理屈か世界を揺るがす力を得ると言う。
言霊と言う言葉があるが、正に活字の持つ神秘の力である。
それをもし見つけて読んだら、読んだ方がその一方を引き上げよう、と意気揚々と叫んだものだった。
その鈴木が消えた?
何があったのだ?
それは僕、斎藤渓と鈴木孔先輩の話。
出会い。
文系サークル・優柔不断。
書評サークルとも呼べるその集まりの部員は、10人程度だった。
やる事と言ったら、本を読む・書評を書く・アップする・感想を述べ合う、だけだった。
その中で一番重点を置いていたのが、感想を述べ合うだった。
当然、本の虫の集まりであって、その拘りやら蘊蓄は滔々と語られるのは勿論であり、論議を重ねたにしろあい交える事は無いのに、延々と続くのだ。
その中でも、まともそうだったのが鈴木先輩だった。
その語りの中でも、一番記憶に残っているモノは、書評サークルの一員である鈴木ですら読んだ事のない代物だった。
何故なら、その本を読んでいたなら、世界に打って出るだけの価値があり、こんな所で大学生などやってない、と力説していた。
その書の名は“覇王の書”。
それに目を通せば、どういう理屈か世界を揺るがす力を得ると言う。
言霊と言う言葉があるが、正に活字の持つ神秘の力である。
それをもし見つけて読んだら、読んだ方がその一方を引き上げよう、と意気揚々と叫んだものだった。
その鈴木が消えた?
何があったのだ?