エリート心臓外科医の囲われ花嫁~今宵も独占愛で乱される~
 自らの行為を正当化するような言葉を口にして、清司郎は膝の上の千春をこちらに向かせる。
 そして頬に口づけを落とす。
 千春が漏れる吐息を堪えながら、それに弱々しく反論した。

「でも……あ……まだ、完璧じゃな……」

「わかった。でもそれはまた次の機会だ。次はちゃんと聞いてやるから」

 そう言って清司郎は顎を掴み、唇を奪う。

「んんっ……!」

 清司郎の侵入に千春がわずかに身をよじる。
 それを両腕で囲い込む。決して押さえつけることはせずに、でも逃れることは許さなかった。
 今夜はあまり、余裕がない。

「ん、ん、はぁ」

 少しずつ艶めてゆく千春の声が、清司郎の衝動を加速させる。
 できることならこのまますべてを奪ってしまいたかった。
 どこもかしこもいい香りがする千春の隅々にまで口づけて、自分のものにしてしまいたい。
 柔らかい身体に少しも傷をつけたくないという思いと、壊してしまいたいという思いが清司郎の中で戦った。
 口づけを解いて見下ろすと、腕の中にはくたりと力が抜けたような千春。
 潤んだ瞳で清司郎を見上げている。
 濡れた唇がなにかを乞うようにわずかに開く。
 まるでその先を望んでいるかのようのようだった。

「清君……」

 たまらずに清司郎は千春をベッドに押し倒す。
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