エリート心臓外科医の囲われ花嫁～今宵も独占愛で乱される～
　病気で長期の入院を余儀なくされている子供たちへの支援活動が主な内容だった。
　千春がやっているような病棟での読み聞かせから、もっと本格的なイベントの企画、子供たちの家族が看病の際に泊まる為の宿泊施設の運営まで、多岐に渡る支援だ。
　日本では一番歴史が長いというその団体の活動内容に千春は大いに興味をそそられた。

「読み聞かせの会、頑張っているみたいだね。評判だよ」

　康二に褒められて、千春は頬を染める。
　もちろん千春がやっていることと、この団体の活動はまったく規模が違う。
　でも根っこにある理念は同じだろう。
　千春はパンフレットの中身をじっくり読み込んでゆく。
　可能ならば、この人たちの話を聞いてみたかった。

「でも私が行ったら場違いじゃないでしょうか」

　行きたいという気持ちを抑えつつ千春は康二に問いかける。
　康二がはははと笑って首を横に振った。

「チャリティーパーティーだからそんな堅苦しいものじゃないだろう。パートナー同伴可だから、大丈夫だよ。いやこういうのが嫌いな清司郎を出席させる口実を探していたところなんだよ。医院長になるなら、ある程度の社交性も大事だからな」

　その言葉に清司郎が嫌そうに康二を見た。
　清司郎がパーティー嫌いだというのはどうやら親子の間では共通の認識のようだ。でも千春にとっては初耳だった。
　なるほどだからさっきから彼はあからさまに嫌そうなのかと千春は納得をする。
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