エリート心臓外科医の囲われ花嫁~今宵も独占愛で乱される~
 その後、心臓病で最先端をいく八神病院に転院して、二十五歳になる今まで生きてはこられたが、常に入院と退院を繰り返す日々だった。
 そんな千春の人生に転機が訪れたのが数ヶ月前。
 清司郎が千春の症例を根治するための技術を手に帰国したのだ。
 国内初となるその手術は多くの医療関係者が注目をする中、見事成功した。
 それなのに、ここで千春が無理をして、もしなにかあったら、すべてが水の泡となる、清司郎はそう言っているのだ。

「ごめんなさい」

 ほかに言いようがなくて千春はうつむいて呟く。
 清司郎がため息をついた。

「とにかく、しばらくは安静が必要だ。俺が許可するまでは面会謝絶だからな」

 そしてそばにあった椅子に腰を下ろして、少し迷うように口を開いた。

「……ここからは幼なじみとして話をするんだが」

 低くなった清司郎の声。
 千春はゆっくりと顔を上げた。
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