エリート心臓外科医の囲われ花嫁~今宵も独占愛で乱される~
「清司郎さん」
突然絢音がにっこりとした。
「清司郎さんはお優しいから幼なじみの千春のことを見捨てられなかったんですよね。それは父も私もよくわかっております。ですが、結婚というのは方法として正しかったかどうか……この辺りで一度間違いを正さなければならないのではないでしょうか」
「……間違いを正す?」
清司郎は呟く。
「そうです」
絢音が頷いた。
「本来の縁組は、千春と大林夏彦さん、私と先生だったんですから」
ありもしない話を大真面目な顔をして口にする絢音を清司郎は鼻で笑いたくなる。
だがそれをなんとか堪えて考え込んだ。
「間違いを正す……」
「清司郎さん、今なら父も許してくれるはずです。私、清司郎さんのためなら絶対に父を説得してみせますから」
絢音が身を乗り出した。
「説得……」
呟いて、清司郎はまた考え込む。するとあることが頭に浮かんだ。
清司郎は慎重に口を開く。
「それは…………今からでも間に合うのでしょうか?」
突然の清司郎から出た前向きな言葉に、絢音が目を輝かせた。
「もちろん! もちろんです!」
頬を染めて嬉しそうに頷いている。
その彼女に清司郎は問いかけた。
「なるほど。では、たとえば……このあとすぐにお宅にお伺いする形でも?」
でも清司郎のその少し唐突な申し出には戸惑いながら、マスカラの目をパチパチさせた。
「今から……ですか?」
首を傾げてどうするべきか思案している。
清司郎は彼女に考える間を与えることなく、にっこりとして身を乗り出した。
「そうです。間違いを正すなら、私は結城社長に謝罪する形になるでしょう。なら早い方がいい。でも私はあいにく明日からまたしばらくは予定が空かない。今日しか時間が取れないんです」
そしてトドメとばかりに、机の上に置かれた真っ赤なマニュキュアの爪の手を握った。
突然絢音がにっこりとした。
「清司郎さんはお優しいから幼なじみの千春のことを見捨てられなかったんですよね。それは父も私もよくわかっております。ですが、結婚というのは方法として正しかったかどうか……この辺りで一度間違いを正さなければならないのではないでしょうか」
「……間違いを正す?」
清司郎は呟く。
「そうです」
絢音が頷いた。
「本来の縁組は、千春と大林夏彦さん、私と先生だったんですから」
ありもしない話を大真面目な顔をして口にする絢音を清司郎は鼻で笑いたくなる。
だがそれをなんとか堪えて考え込んだ。
「間違いを正す……」
「清司郎さん、今なら父も許してくれるはずです。私、清司郎さんのためなら絶対に父を説得してみせますから」
絢音が身を乗り出した。
「説得……」
呟いて、清司郎はまた考え込む。するとあることが頭に浮かんだ。
清司郎は慎重に口を開く。
「それは…………今からでも間に合うのでしょうか?」
突然の清司郎から出た前向きな言葉に、絢音が目を輝かせた。
「もちろん! もちろんです!」
頬を染めて嬉しそうに頷いている。
その彼女に清司郎は問いかけた。
「なるほど。では、たとえば……このあとすぐにお宅にお伺いする形でも?」
でも清司郎のその少し唐突な申し出には戸惑いながら、マスカラの目をパチパチさせた。
「今から……ですか?」
首を傾げてどうするべきか思案している。
清司郎は彼女に考える間を与えることなく、にっこりとして身を乗り出した。
「そうです。間違いを正すなら、私は結城社長に謝罪する形になるでしょう。なら早い方がいい。でも私はあいにく明日からまたしばらくは予定が空かない。今日しか時間が取れないんです」
そしてトドメとばかりに、机の上に置かれた真っ赤なマニュキュアの爪の手を握った。