エリート心臓外科医の囲われ花嫁～今宵も独占愛で乱される～
　チュンチュンという小鳥のさえずりが聞こえる。
　清々しい空気を感じながら千春は瞼を開いた。

「おはようございます」

　声のする方を見ると年配の女性が微笑んでいる。

「よく眠れましたか？」

　彼女が部屋のカーテンを開けてゆくのを見つめながら千春はゆっくりと身体を起こした。
　木々の間から柔らかな朝の日差しが差し込んで、部屋が明るくなっていく。
　久しぶりにぐっすりと眠ったような気持ちだった。
　結城家の屋敷ではいつも悪夢に悩まされる。起きてすぐに得体のしれない疲労感に襲われるのが千春の毎日の目覚めだが、昨夜は不思議と夢を見なかった。
　こんなにすっきりとした気分の朝は本当に久しぶりだった。

「もうすぐ清司郎さんが朝の診察に来られます。それが終わったら、朝ごはんにしましょうね」

「朝の診察……」

　女性の言葉を千春が繰り返したその時、部屋の扉が開いて白衣姿の清司郎が入ってきた。

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