エリート心臓外科医の囲われ花嫁~今宵も独占愛で乱される~
「ん、んん……」

 堪えきれずに漏れでる声が、ルームランプだけの薄暗い静かな部屋に響く。
 とっぷりと日が暮れて窓の外が真っ暗になっても千春は清司郎の腕の中にいた。
 どこへも行かせてもらえずに、少しも離してもらえずに、ベッドの上で長くて深いキスを交わしている。
 さっき着せられたバスローブは、もはやその役割を果たせてはいない。結び目を解き放ち、清司郎に千春の肌をさらけ出していた。

「千春、綺麗だ」

 清司郎が身体に口づけを落とし始める。熱い唇がランプの明かりに浮かび上がる千春の白い素肌を辿る。

「んんっ!」

 千春はシーツを握りしめて身をよじり、彼から与えられる刺激に耐えた。
 今夜の清司郎は、いつもとは少し違っていた。
 やや強引で、どこか余裕がない。そしてなによりもこれ以上ないくらいに甘かった。

「千春、愛してる。愛してるよ……」

 耳元で、首筋で、身体中のいたるところで愛の言葉が繰り返される。
 あの夜も彼はその言葉をくれけれど、千春はそれをそのまま受け止められなかった。
 でも心が通じ合った今、それは甘美な響きを帯びて千春の脳に直接届き、千春をわけがわからない世界に飛ばしてしまおうとしている。

「あ、清君。ま、待って……!」
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