エリート心臓外科医の囲われ花嫁~今宵も独占愛で乱される~
「目が覚めたか」

 時計を見ると時刻は午前八時。白衣を着ているということは、きっとこのまま出勤するのだろう。

「顔色は悪くないな」

 ベッドのそばある椅子に座り、清司郎がひと通り千春を診察していく。
 それが終わるのを待って、千春は彼に問いかけた。

「今日は退院できますか?」

 清司郎が渋い顔をした。

「千春」

「だって、今日こそは帰らなきゃ」

「そんなことは夕飯をちゃんと食べてから言え。昨日はほとんど残しただろう」

 千春に小言を言ってから、彼は女性を振り返った。

「小夜さん、ちょっとふたりにしてくれる?」

 女性が頷いて部屋を出て行った。

「しばらくは小夜さんに千春の世話を頼むことにしたから。俺がいない間に困ったことがあったらすぐに言うように。小夜さんは看護師でもあるから安心だ」

 まるで千春がしばらくここに滞在するかのような彼の言葉に、千春は答えずに黙り込む。
 清司郎が少し声を落とした。

「千春、昨日の話だけど」

 千春の胸がツキンとなった。

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