エリート心臓外科医の囲われ花嫁~今宵も独占愛で乱される~
「でも千春、それじゃあお前が……!」

「もうほっといてって言ったじゃない!」

 千春は声をあげてベットに突っ伏した。
 なにも言わないでほしかった。
 この数年間、千春は心を凍らせて生きてきた。
 夢を見ることなど無駄だと自分自身に言い聞かせて。そうすることでしか自分を守ることができないのに。
 その努力を無駄にしないでほしかった。

「……家に帰らせて」 

「ダメだ。まだ退院させられない」

 どこか苦しげにそれだけを言って、清司郎は部屋を出ていった。
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