エリート心臓外科医の囲われ花嫁～今宵も独占愛で乱される～

新婚生活

始まり

　八神家の屋敷で迎える二日目の朝もいい天気だった。朝七時に起こしにくると言っていた小夜を千春は目を覚まして迎えた。

「おはようございます。よく眠れましたか、千春さん」

　小夜がカーテンを開けると朝の日差しが窓から柔らかく差し込んだ。

「おはようございます。……ここは静かですね」

　思わず千春はそう呟いた。小鳥の声を聞きながら朝を迎えることなんて今までなかったような気がする。
　結城の家では大抵澤田に叩き起こされていた。
　小夜が微笑んだ。

「敷地が広いですからね。それにお屋敷にいらっしゃるのは、大先生と清司郎さんだけですから」

　大先生とは清司郎が帰国するまで千春の主治医だった彼の父親だ。清司郎の母親はすでに亡くなっているからふたり暮らしなのだ。
　小夜は自分を住み込みの家政婦だと言った。