エリート心臓外科医の囲われ花嫁~今宵も独占愛で乱される~
『も、もう一度おっしゃって下さい、八神先生』

 昨夜夜遅く訪れた結城家の客間で、芳人は眉間にシワを寄せて清司郎にそう言った。

『おっしゃったことの意味がよくわかりませんで』

『言葉の通りですよ』

 清司郎は答えた。

『千春さんには私と結婚していただきます。ついさっき、ご本人にも了承していただきました』

『まさか!』

 芳人が声をあげた。

『そんな、勝手に……結婚を決めるなんて、ありえない』

『どうしてです?』

 清司郎は問いかけた。

『千春さんは成人された女性です。自分の人生を自分で決める権利があるはずです』

『そ、それはそうですが……』

 芳人は言い淀む。だがすぐに気を取り直したように口を開いた。

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