エリート心臓外科医の囲われ花嫁~今宵も独占愛で乱される~
清司郎の誓い
小夜に促されて家へ入っていく千春の後姿を見つめながら、清司郎は息を吐く。無気力無表情はあいかわらずだが、ほんの少しだけでも彼女がなにかに興味を示したことに大きく安堵していた。
痩せた肩、輝きを失った瞳、なにもかもを諦めたような言葉が、清司郎の胸を刺した。
清司郎がはじめて千春と出会ったのは、彼女が八神総合病院に転院してきたばかりの頃、千春は九歳、清司郎は十四歳の時だった。
その年の夏休み、清司郎はしばらくの間、父が働く病院へ通っていた。
学校から出された『職業研究』という課題のためだ。身近な人の仕事を取材してレポートにまとめるというその課題を当時の清司郎は面倒くさいと思ったが、やらないわけにはいかない。
塾の夏期講習の合間を縫って父の元を訪れたある日のこと、個室が並ぶエリアを通りかかった清司郎の耳に、子供が言い争う声が飛び込んできた。
痩せた肩、輝きを失った瞳、なにもかもを諦めたような言葉が、清司郎の胸を刺した。
清司郎がはじめて千春と出会ったのは、彼女が八神総合病院に転院してきたばかりの頃、千春は九歳、清司郎は十四歳の時だった。
その年の夏休み、清司郎はしばらくの間、父が働く病院へ通っていた。
学校から出された『職業研究』という課題のためだ。身近な人の仕事を取材してレポートにまとめるというその課題を当時の清司郎は面倒くさいと思ったが、やらないわけにはいかない。
塾の夏期講習の合間を縫って父の元を訪れたある日のこと、個室が並ぶエリアを通りかかった清司郎の耳に、子供が言い争う声が飛び込んできた。