エリート心臓外科医の囲われ花嫁～今宵も独占愛で乱される～
「待ってください」

　清司郎が千春を庇うように立ちはだかった。

「手荒な真似はやめてください」

　思いもよらない出来事に、澤田が目を見開いて青筋を立てた。

「な……！　あなた、なんですか？　関係ない人は黙っていてください。これは家族の……」

「主治医です」

　澤田の言葉を遮って、清司郎が言い切った。

「え？」

「私は千春さんの手術を担当した主治医の八神です。千春さんには先日退院していただきましたが、私の許可があるまでは安静にしてなくてはいけないと指示をしたはずです。それなのに……これはいったいどういうことですか」

　一気に言って澤田を睨む。

「え？　あ……、その……」

　澤田が口籠もった。
　清司郎と直接面識はなくても、千春が手術をしたことは当然知っている。
　その担当医だという人物の思わぬ登場に、どうしたらよいか決めかねているようだった。
　そこへ清司郎がたたみかける。
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