エリート心臓外科医の囲われ花嫁~今宵も独占愛で乱される~
「これはこれは、八神先生。奇遇ですね、こんなところでお会いするなんて。いやぁ、いつもの白衣ではなくスーツを着ていらっしゃるから、一瞬わかりませんでした」
対する清司郎はあいかわらず厳しい表情のままだった。
「結城さん、これはいったいどういうことですかと私は聞いているのです。千春さんにはまだ安静が必要です。外出も様子をみながらにしてくださいと、退院の時申し上げたはず。それなのに、着物を着て見合いなんて」
「それは……」
芳人が一旦口籠る。だがすぐに、気を取り直したように口を開いた。
「やむに止まれぬ事情があるのですよ。先方の都合もありますから、千春のことばかり優先するわけにはいかないのです。安心してください。千春のことは私が一番よく考えていますから」
暗に家庭のことに口を出すなと言って、千春の方へ手を伸ばす。
だが清司郎は引き下がらなかった。
対する清司郎はあいかわらず厳しい表情のままだった。
「結城さん、これはいったいどういうことですかと私は聞いているのです。千春さんにはまだ安静が必要です。外出も様子をみながらにしてくださいと、退院の時申し上げたはず。それなのに、着物を着て見合いなんて」
「それは……」
芳人が一旦口籠る。だがすぐに、気を取り直したように口を開いた。
「やむに止まれぬ事情があるのですよ。先方の都合もありますから、千春のことばかり優先するわけにはいかないのです。安心してください。千春のことは私が一番よく考えていますから」
暗に家庭のことに口を出すなと言って、千春の方へ手を伸ばす。
だが清司郎は引き下がらなかった。