双子の貞子ちゃん
「もう大丈夫だからね。君はこれからここで暮らすんだ!」
目の前には優しそうなおじさん
おじさんの後ろを見れば俺と同じくらいの子供がたくさんいた
あの日、俺は警察に助けられた
近所の人の通報で駆けつけた警察官が母親を逮捕し、俺と妹は保護された
母親が警察に連れていかれる後ろ姿を呆然と見つめながら、喪失感と同時にホッとしてる自分がいた
それからあっという間に施設に預けられ、食事も妹の世話も1人でしていた頃より充実している
同じ年代の子たちと遊び、そのあと妹を見てくれてる先生たちのところに行く
そんな日々を過ごしている時、俺らは母親の親戚だと言う夫婦に引き取られることになった
その人たちは俺たちのことを親戚伝いに知り、探してくれたらしい
優しくて暖かい人たちで、その時はまだ幼稚園生だった妹も本当の両親のように懐いた
そして俺が中学になった時、俺は2人に相談した
"出来るだけ自分のことは自分でやりたい"
"2人には恩返ししたい"