双子の貞子ちゃん
俺は結局こういう運命なんだ
母親と別れてからの数年間は俺への最後のプレゼントなのか
そう思うと良い人生だったのかもしれない
殴られすぎて痛みも感じなくなってきた
このまま死ぬ……そう思った時だった
あの女神が現れたのは
「何してる」
俺を殴ってた奴らが途端に目の前からいなくなる
その代わりに綺麗な顔をした男の人が俺をじっと見つめていた
俺を見ている男の人からは不思議な感じがした
言葉にできないけど、ただ惹きつけられる
「……あの道を行けば大通りに出るから、早く手当てしてゆっくりしてなよ」
そう言って立ち去ろうとする彼の足を無意識に握っていた
「あ、あの…何で助けてくれたんですか…」
「それは、助けなかった方が良かったということか?」
さっきとはまた違い、じっと見られるなかに圧を感じる
「君、名前は?」
「………椎名 樹(しいな いつき)」
「樹、仲間になる?」
仲間…?