双子の貞子ちゃん
なんとなく見たことのあるような車
まあ、誰かのお迎えの車だろう
そう思っていた時
「あれは…」
近くにいた悠が俺とは違う方を見ていた
「華織、あれ妹じゃない?」
うるさいと感じるほどの会話が止み、全員が悠の指す方を見る
「伊織っぽいけど…、男の子に、お姫様抱っこされてる!?え、彼氏!?」
男が髪の長い女を抱えて足早に歩いている
女の顔は見えないが、男は必死な顔に見える
「あれ!樹!?なんで、伊織さんと樹が?」
「律の知り合いか?」
「同じクラスなんですけど…、ちょっと、いいですか……樹!!何かあったのか!?その人伊織さんだろ!?」