双子の貞子ちゃん
カタカタとキーボードを叩きながらも、耳はしっかり2人の会話に傾けていると、ちらりとこちらを見た榎本と目が合う。
「了解しました。すぐにお車を準備いたします。」
スタスタと部屋の中を歩き、鍵などを手にしたあと、わざと私の後ろを通り、
「妙なことをしたら、どうなるか分かりますよね。」
私にしか聞こえない声で言い、花田と部屋を出ていく。
「伊織!すぐ帰ってくるから!!」
これは…。
ちょうど昼になり、5人の社員たちは外へ出て行った。
つまり、ここには私1人