双子の貞子ちゃん




コピーしたUSBを手に、社長室から出て、部屋へ戻る。



まだ、昼休憩は30分あるため、社員たちは戻っていない。




ここは地下のため、正面突破しかない。





動きづらいワンピースを煩わしく思いつつも、監視カメラの写らない位置を慎重に移動する。








そして、ようやく外に出る。


何日ぶりの太陽だろうか。
…なんて、感傷に浸っている場合ではない。




いつ花田たちが、帰ってくるかわからない。

それに、道ですれ違う可能性もある。


携帯も財布もない私は、USBただそれだけを手に握りしめ、足早にここから去る。



< 174 / 241 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop