双子の貞子ちゃん
あたりが暗くなり始めた。
いったい何時間歩いただろうか。
花田のところから逃げ、真っ先に動きづらいワンピースを着替えたかった。
ただ、手持ちがなかったため、知り合いの店で男物を買い、お金は後日払うことに。
あのワンピース姿だったら、ここでは異様に浮いていただろう。
ガラガラ
音に気づいたのか、部屋の中が静まる。
「……ただいま。」
「きぃ!!!」
バタバタと音を立て、テーブルに足をぶつけながらやってくる彼
「!!ほんとだ!きぃさんだ!!!!」
私に気づき、うわっと集まってくるのを、どけどけと乱雑に掻き分けて、力強く私を抱きしめる。
「…無事か?何もされてないか?」
今度は離れて、私の体をくまなくチェック
「…シノ、みんな。ごめんね。心配かけたよね。」