双子の貞子ちゃん
いつも通り席に着き、周りの声を聞きながら授業が始まるのを待つ
授業中はただひたすらにノートをとってるだけ
成績は常に中間くらいを保っている
だから変に目をつけられたりはしない
チャイムが鳴りノートと黒板の往復から開放される
教科書などを片付けて、次の準備をしていると
ダダダダダダッ!
「伊織さん!!!!!」
一瞬頭がフラッとした
すぐそばのドアを見れば、律が教室内をキョロキョロしてる
また、クラスの人たちも突然響いた大声に固まっている
「律、ここ」
「うおっ!伊織さん!そこなんですね席!」
見えなかったのかと呆れつつ、私の腕を掴む律を見上げる
「伊織さん、付いてきてもらってもいいですか?」
「どこに?何で?」
「朝のことで…総長に連れてこいって言われました」
私の顔をうかがうようにチラッと見ながら言う律
「私が行かないって言ったら?」
「〜〜、それは、俺困ります…!総長も伊織さんも俺の尊敬する人なんで」
私は律の犬みたいなとこに弱いのかもしれない
捨て犬みたいな目で見られると断れない
「分かった。律のために行く」