オトコノキモチ
うちらのデート
午前中から電車に揺られるあたし。
いつもの指定席かのように、決まったBOX席に座る。
天気もよくて、電車の中に射す日差しから、少し春を感じることが出来てぽかぽかと気持ちいい。
太陽の日差しを浴びながら、少し昼寝するのがあたしのお決まり。
だいたい、一眠りして目が覚めた頃に直人の住んでる最寄り駅に着く。
しばらく来てなかったけど、この時間感覚、ちゃんと体には残ってるんだね。
直人の地元。
駅のまわりはなぁんもない。
バスも一日に何本かしか走ってない。
だから、駅までは迎えに来てくれる。
「久しぶりだね。」
直人の真っ白なスポーツカーを見つけると、助手席に乗り込んだ。
車内は直人の香水の匂いが広がっている。
あたしは、この匂いが嫌いじゃない。
むしろ、好きかも。
助手席の乗り心地も含めて。