再会したのは、二度と会わないと誓った初恋の上司
「俺も、環先生って呼んだ方がいいか?」
「はぁ?」

今度は私が口を開けた。

「ここは職場じゃないし、俺はお前の先生じゃない」
「それは・・・」
そうですが。

困ったな、このタイミングで突っ込まれるとは思っていなかった。
仕方ない、

「あのぉ、新太さん」
どうしても聞きたいことのある私は、顔を真っ赤にしながら名前を呼んでみた。

「何、環」
今度はすんなり返事が返ってきた。

「今回の原因って、もうわかっているんですか?」
「そのことかあ」

ちょっと困ったなって表情の新太さん。
その顔を見て、まだわかっていないんだと理解した。

「それじゃあ」

私は意を決して、本当に聞きたいことを尋ねようと体を起こした。
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