再会したのは、二度と会わないと誓った初恋の上司
それからしばらく、私はナイフを手にしたままの塙くんと話し続けた。
何とかして説得してナイフを手放させさせたいのに、そこは頑なに譲らない。
困ったなあと思いながら、入院中の私が病室から姿を消せば騒ぎになのもわかっている。
きっとここもすぐに見つかることだろうし、それまでに塙くんを説得して出て行かなくてはいけない。そう思っていたのに・・・
タッ、タタッ。
聞こえてきた足音。
マズイ。
そう思った時には遅くて、
「おい、こらっ」
大きな声を上げて警官が駆けてくる。
「来るなっ。近ずくなっ」
塙くんの声で、瞬間的に警官たちの動きが止まった。
そして、私の肩を抱き寄せた塙くんがナイフを持つ手を胸元まで上げる。
「バカなことをするんじゃない」「これ以上罪を重ねるな」
口々に叫ぶ警官。
不思議なことに、この状況でも私は身の危険を感じることはなかった。
塙くんが私を傷つけることはないと思えた。
しかし、キラリと光るナイフの先端は私達に向いているわけで、その恐怖は消えない。
何とかして説得してナイフを手放させさせたいのに、そこは頑なに譲らない。
困ったなあと思いながら、入院中の私が病室から姿を消せば騒ぎになのもわかっている。
きっとここもすぐに見つかることだろうし、それまでに塙くんを説得して出て行かなくてはいけない。そう思っていたのに・・・
タッ、タタッ。
聞こえてきた足音。
マズイ。
そう思った時には遅くて、
「おい、こらっ」
大きな声を上げて警官が駆けてくる。
「来るなっ。近ずくなっ」
塙くんの声で、瞬間的に警官たちの動きが止まった。
そして、私の肩を抱き寄せた塙くんがナイフを持つ手を胸元まで上げる。
「バカなことをするんじゃない」「これ以上罪を重ねるな」
口々に叫ぶ警官。
不思議なことに、この状況でも私は身の危険を感じることはなかった。
塙くんが私を傷つけることはないと思えた。
しかし、キラリと光るナイフの先端は私達に向いているわけで、その恐怖は消えない。