再会したのは、二度と会わないと誓った初恋の上司
「環先生、早速のカメラだけど大丈夫?」
内視鏡室に入った途端、今日が出勤日の新太が寄ってきた。
「大丈夫ですよ。新太先生、心配しすぎです」
さすがに職場で『新太』と呼ぶわけにもいかず、新太先生と呼んだ。
3カ月休んで変わったこと。それは、みんなが私を『環先生』と呼ぶようになったことと、いつもそこにいたはずの塙くんがどこにもいないこと。そして、誰一人塙くんの話題に触れようともしない。そのことがとても寂しい。
「あら和田先生、お久しぶりですね」
たまたま検査に来ていた患者さんに声をかけられた。
この人は外来でいつも私が診ていた患者さん。そういえば、定期検査がこの時期だったはず。
「こんにちわ。お加減いかがですか?」
「ええ、いいですよ。先生も、もういいんですか?」
「ええ」
さすがに常連の患者さんには筒抜けらしい。
小さな町だものね、うわさが広がるのは早いはず。仕方ないかな。
「環先生、お願いします」
「はい」
スタッフに呼ばれ、少しだけ緊張しながら私は検査室へと向かった。
内視鏡室に入った途端、今日が出勤日の新太が寄ってきた。
「大丈夫ですよ。新太先生、心配しすぎです」
さすがに職場で『新太』と呼ぶわけにもいかず、新太先生と呼んだ。
3カ月休んで変わったこと。それは、みんなが私を『環先生』と呼ぶようになったことと、いつもそこにいたはずの塙くんがどこにもいないこと。そして、誰一人塙くんの話題に触れようともしない。そのことがとても寂しい。
「あら和田先生、お久しぶりですね」
たまたま検査に来ていた患者さんに声をかけられた。
この人は外来でいつも私が診ていた患者さん。そういえば、定期検査がこの時期だったはず。
「こんにちわ。お加減いかがですか?」
「ええ、いいですよ。先生も、もういいんですか?」
「ええ」
さすがに常連の患者さんには筒抜けらしい。
小さな町だものね、うわさが広がるのは早いはず。仕方ないかな。
「環先生、お願いします」
「はい」
スタッフに呼ばれ、少しだけ緊張しながら私は検査室へと向かった。