再会したのは、二度と会わないと誓った初恋の上司
目が覚めると、そこは暗闇だった。
真っ暗な空間に月明かりが差し込んで、すぐ隣から静かな寝息だけが聞こえてくる。

もうすぐ秋だと言うのに、かけているのはタオルケット1枚。
布団はすでに床に落ちてしまっている。

「寒くないのかしら」
床から布団を引っ張り上げると、寝息を立てる新太にかけた。

いくら空調の利いた部屋でも、裸で寝れば風邪をひいてしまう。
さっきまで野獣のように暴れていた彼の寝顔を見ながら、なぜか幸せな気持ちになっている自分に驚いた。

私にだって、今までに付き合った人はいる。
それなりに恋愛経験もあるし、男性経験だってないわけじゃない。
それでも、こんな風になりふり構わず抱かれたことはなかったし、あんなに乱れたこともなかった。
これから先どんなに素敵な夜を過ごしたとしても、きっと昨夜の新太を思い出すだろう。
そのくらい衝撃的な経験だった。

「どうした、眠れないのか?」
私の視線を感じたのか新太が目を開けてしまった。
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