再会したのは、二度と会わないと誓った初恋の上司
30人ほどの歓迎会は時間が経つごとにただの大騒ぎに変わり、そのうちに品の悪い飲み会になっていった。

「なんかすごいね」
「え?」
「ほら」

いつの間にか隣に座っていた皆川先生の指さす先を見ると、研修医たちが騒いでいる。

先輩にお酒を注ぐわけでもなく遠慮なく酒を飲み、自分たちで盛り上がっている若者たち。
私たちの頃は考えられなかった。

「ったく、今時の子は」
つい愚痴を言った私を、

ククク。
皆川先生が笑った。

「何ですか?」
ムッとしながらたずねてみる。

「イヤ、酔っぱらって上司の頭にビールをかけた子の言葉とは思えなくて」
「ちょっ、ちょっと先生、それは言わないでください」

初めての飲み会で犯した私の大失敗。
酔っぱらっていたとはいえ場の空気は凍り、あの後しばらくは先輩たちから口をきいてもらえなかった。
あれは私にとっての黒歴史。
思えばあの頃から私は問題児だった。
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