再会したのは、二度と会わないと誓った初恋の上司

出来すぎる上司に御用心

翌々日の月曜日。
上田先生の代わりに内視鏡に入った私。
当然のように皆川先生もいて、楽しそうにスタッフと話をしている。

「和田先生、金曜日はなんで途中で帰っちゃったんですか?」

なぜか今日は塙くんも内視鏡にいて、さっそく寄ってきた。

「土曜日救急だったから早めに帰ったのよ」
「声をかけてくれたらいいのに」

はあ?なんで?
と言いたいところを笑ってごまかす。

この子の中で私は、上司でも先輩でもなくお友達くらいの位置づけになっているらしい。困ったものだ。

「塙先生、おしゃべりしてないで準備始めて」
検査室から皆川先生の声。

「はい」
さすがに塙くんも、駆け出して行った。

月曜の今日はカメラの予約もびっしり。
上部下部合わせて10部屋ある検査室はフル稼働状態だ。
私は上田先生の代わりに下部の検査、要するに大腸カメラに入る。
一方皆川先生は上部検査、胃カメラの担当だから同じ検査に入ることはない。

「和田先生、準備できました。お願いします」
「はい」

スタッフに呼ばれ私は検査室に向かった。
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