再会したのは、二度と会わないと誓った初恋の上司
「何してるの、ちゃんと前を見る」
「すみません」
ボーっとしていて縁石にぶつかるところを皆川先生に助けられた。
「心配しなくても外来は上田先生に頼んだし、病棟患者のフォローは塙に指示してある。何かあれば知らせるようにも言ったから大丈夫だ」
「・・・先生」
「本当は僕が代わってあげたいんだが、明日は大学病院の勤務でどうしようもない。2人に任せて君は休みなさい」
ここまで準備されては何も言えず、素直にうなずいた。
実際、上田先生は今日の内視鏡を代わってあげたところだか文句は言わないだろうし、塙くんも研修医にしては優秀で任せることに不安はない。
クスッ。
突然皆川先生がおかしそうに笑った。
「何ですか?」
「塙の奴、『なんで皆川先生が送って行くんですか?』って食ってかかったぞ」
「あぁ」
塙くんなら言いそう。
「『お前はバイクで来てるのにどうやって送る気だ』って言ったら、悔しそうにしてた」
「そうですか」
塙くんらしい。
まっすぐでストレート、若いってうらやましい。
「杉原先生には」
「え、敬?」
思わず名前を口にすると、皆川先生の視線が少し鋭くなった気がする。
「すみません」
ボーっとしていて縁石にぶつかるところを皆川先生に助けられた。
「心配しなくても外来は上田先生に頼んだし、病棟患者のフォローは塙に指示してある。何かあれば知らせるようにも言ったから大丈夫だ」
「・・・先生」
「本当は僕が代わってあげたいんだが、明日は大学病院の勤務でどうしようもない。2人に任せて君は休みなさい」
ここまで準備されては何も言えず、素直にうなずいた。
実際、上田先生は今日の内視鏡を代わってあげたところだか文句は言わないだろうし、塙くんも研修医にしては優秀で任せることに不安はない。
クスッ。
突然皆川先生がおかしそうに笑った。
「何ですか?」
「塙の奴、『なんで皆川先生が送って行くんですか?』って食ってかかったぞ」
「あぁ」
塙くんなら言いそう。
「『お前はバイクで来てるのにどうやって送る気だ』って言ったら、悔しそうにしてた」
「そうですか」
塙くんらしい。
まっすぐでストレート、若いってうらやましい。
「杉原先生には」
「え、敬?」
思わず名前を口にすると、皆川先生の視線が少し鋭くなった気がする。