再会したのは、二度と会わないと誓った初恋の上司
3年前、私の指導医だった頃の皆川先生はいつだって優しくて厳しく叱られることはなかった。
もちろん、失敗すれば注意されたし間違ったことをした時には諭すようにお説教されたけれど、こんな風に叱責されたことはなかった。
そもそも人を叱ったり厳しいことを言うのは気持ちがいいものではないし、できれば誰もしたくはない。それでも、相手を思うからこそ厳しい言葉で言ってくれるのだと指導する立場になった今ならわかる。
それに、あの優しかった皆川先生が『仕事になると鬼だ』と言われるようになったのは私のせいだとも思う。
きっと、私が皆川先生を変えてしまったんだ。
「今日のことは上田先生に報告するからな」
「はい」
塙くんはそれ以上何も言わなかった。
「君は研修医だ」って言われれば、だから黙っていろって言われたも同然。黙るしかないだろう。
悔しそうに唇をかむ塙くんを見ながらかわいそうだなと思っていると、
「ちょっといいかなあ?」
急に内視鏡室の入り口から声がかかった。
もちろん、失敗すれば注意されたし間違ったことをした時には諭すようにお説教されたけれど、こんな風に叱責されたことはなかった。
そもそも人を叱ったり厳しいことを言うのは気持ちがいいものではないし、できれば誰もしたくはない。それでも、相手を思うからこそ厳しい言葉で言ってくれるのだと指導する立場になった今ならわかる。
それに、あの優しかった皆川先生が『仕事になると鬼だ』と言われるようになったのは私のせいだとも思う。
きっと、私が皆川先生を変えてしまったんだ。
「今日のことは上田先生に報告するからな」
「はい」
塙くんはそれ以上何も言わなかった。
「君は研修医だ」って言われれば、だから黙っていろって言われたも同然。黙るしかないだろう。
悔しそうに唇をかむ塙くんを見ながらかわいそうだなと思っていると、
「ちょっといいかなあ?」
急に内視鏡室の入り口から声がかかった。