夏が、終わる


「これからヒマ?どこかで会わない?」




あの日も普段と同じだった。



絵文字もない、いつも通りのメールが届いた。

それですぐ返信して、どこで何時に会うか決めた。

落ち着かなくて、約束より15分くらい早くついてしまう。

それも、いつも通りだった。



彼は待ち合わせの時間ピッタリにくる。

毎回そう。

あの人がわたしを待っててくれたことなんて一度もない。

でもそれは、わたしが早く着きすぎるせい。

きっとそう。




その日、いつもと違ったことといえば、あいつが見知らぬ女の子を連れてたことくらいだった。

それから、わたしの中で時間が止まったこと。



本当に、それ以外は全部いつも通りだった。



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