夏が、終わる
「えっと、そちら、誰?」
女の子をチラッとだけ見て、わたしは彼に聞いた。
昼ドラで、夫の浮気現場を目撃しちゃった妻みたいな、キツい口調にはなってなかったと思う。
だって彼氏のこと信じてたから。
そういうんじゃないって。
女の子の髪は、ギリギリ肩につかないくらいのパーマだった。
明るい茶髪で、かなりいたんでた。
日焼けした腕を彼に絡ませて、わたしを見てた。
こいつが俺の彼女だって彼が言った。
わたしじゃなくて、隣の子の肩を抱いて。