外交官と仮面夫婦を営みます~赤ちゃんを宿した熱情一夜~


「プロのカメラマンさんは、やはり各国飛び回っているのかな」


 大河内さんのお父様が興味深そうに私へと目を向ける。


「はい。仕事が入れば、基本的にはどこにでも行っています」

「おお、それはすごいな。それなら、晶の仕事にも理解がありそうだ」


 お父様の発言に、お母様は「あなた、気が早いわよ」と上品に笑う。


「実は私はカメラが趣味でね。かれこれ二十年近く撮っているかな」

「そうなんですか! それはぜひ、機会がありましたら作品を見せていただきたいです」

「いやいや、プロに見てもらうような立派なものじゃないよ。でも、プロにいろいろ聞いてみたいことがあるよ」

「私でよろしければなんでも聞いてください」


 お父様の趣味がカメラだと聞いて、つい会話が弾む。

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