外交官と仮面夫婦を営みます~赤ちゃんを宿した熱情一夜~
でも、今までにない自分の体調の変化は間違いがなく、妊娠の可能性はゼロではないと思い始めると居ても立っても居られず、即日ドラックストアを訪れていた。
杞憂ならそれでいい。
そう思いながら人生で初めて手に取った妊娠検査薬。
晶さんが帰宅する前にこっそり調べてしまおうと、帰宅後すぐにトイレにこもって使用説明を無駄に何度も読んだ。
そして、検査薬を試した結果、信じられないことに陽性の検査結果が現れたのだった。
検査薬の箱には、〝99%の正確さ〟なんて宣伝文句がおどり、私の頭はパニックに陥った。
もしこの結果に間違いがないとすれば、それは時期的に考えてモルディブでの夜しかない。
だけど、妊娠なんてことにならない配慮は間違いなくあったはずだった。
陽性の検査薬を箱ごと自室のクローゼットの奥に仕舞い込み、私はそれからひとり思い悩んでいる。
未だに信じられない気持ちが大きく、現実逃避している部分もあるような気がする。