外交官と仮面夫婦を営みます~赤ちゃんを宿した熱情一夜~
これまで話したいろいろなことが繋がっていく。
ずっと憧れていた人が、今目の前にいること。その人が、知らぬ間に自分の旦那様になっていたこと。
昂る気持ちが抑えきれず、自ら晶さんの胸に抱きつく。晶さんは私を優しく抱き締め返してくれた。
「なかなか言い出せなかったけど、いつか話そうと思ってた」
「もっと早く言ってくれればよかったのに」
「美鈴があまりに褒めすぎるから、だんだん恥ずかしくなったんだ」
「もう、なんですかそれ」
ちょっと拗ねた口調で言った私に、晶さんはフッと笑い「ごめん」と頭を撫でる。
「晶さん。この写真を撮ってくれて、ありがとうございます」
言えると思っていなかった撮影者本人への感謝の気持ちを口にしながら、また目からが涙が溢れていた。