外交官と仮面夫婦を営みます~赤ちゃんを宿した熱情一夜~
大河内さんが同じ考えを持っていることに内心驚いていた。
写真の位置付けは人それぞれで、ただの記録だと言う人も少なくない。
さっきちらっと聞いた話だと、大河内さんはシャッターを切っていた時期もあったと言っていた。だから、写真を芸術だと思ってくれているのかもしれない。
「カメラを仕事にしたいという夢は、学生時代から?」
「はい。高校時代に興味を持ち始めて、入学してすぐに写真部に入部して。それから、自然と写真関係の仕事に就きたいと思うようになりました」
「では、カメラに興味を持ったきっかけというのは?」
誰かにこの質問をされるたび、あのポスターの写真が脳裏に蘇る。
まるで自分で発光しているようなキラキラした向日葵と、それを温かく見守るような大きな虹。
大切に保管してあるポスターは、今の私の原点だ。