外交官と仮面夫婦を営みます~赤ちゃんを宿した熱情一夜~
まずは高校の写真部に入り、カメラや撮影の基礎を学んだ。
何が撮りたいとか、どんな写真を残したいとか、はじめはそういう目標なんてなかったけれど、ただ漠然と〝誰かの心に響く作品を撮りたい〟と思っていた。
その一枚が誰かの心を震わせ、もしかしたら人生を変えるような、そんな作品。
まさに、私自身がそんな写真に出会ったからだ。
その思いを胸に写真を撮り続けた高校時代。きっかけとなった写真と出会ったあの全国高校コンクールで、私の作品が見事賞を受賞した。
受賞は私の進路決めの後押しにもなり、大学は写真が学べるデザイン学部に進学。大学卒業後はフォトスタジオに就職を決め、雇われカメラマンとして働き始めた。
その頃から自身のウェブサイトを立ち上げ、仕事とは別で趣味で撮り続けている風景や生き物、時には人物などの作品を公開していくと、個人的な依頼が舞い込むようになってきた。
そして就職して三年が経った二十五歳のとき、会社を辞め、フリーランスとしてやっていこうと決意した。