過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
その夜、拓斗は私が寝室へ来るのを待っていたようで、顔を見せると手招きしてきた。促されるまま近づいてふと拓斗と視線を合わせた瞬間、彼の真剣な眼差しに一気に緊張感が高まった。
「美香。夫婦としてさらに仲を深めたい」
はっきりと言葉にされなくても拓斗が何を言いたいのかすぐにわかって、恥ずかしさで俯いた。
残酷な提案だと思う。心の内に芽吹いた気持ちを必死にごまかそうとしても、こんなふうに求められれば、容易に露呈してしまいそうだ。
けれど、嬉しく思う自分がいるのも否定できない。
これほどまで私を大切にしてくれる拓斗の存在が、自分の中で日に日に大きくなっていると、とっくに気づいていた。私が言うのもおこがましいけれど、それは戦友のようなものだと思い込もうと必死になってきた。
でも……。
ここのところの私は、拓斗が喜べば自分も嬉しくなるし、彼に何かをお願いされればその通りにしたいと無条件に思ってしまう。
朝になって拓斗が仕事に行ってしまうと寂しくなるし、帰ってくる時間が近づけば途端にそわそわと落ち着かなくなる。
結婚してから私に触れてこない彼に、どこか焦れた思いを抱いていたのも事実だ。寝室を共にするなんてとんでもないと思っていたはずなのに。
デザインを考えている時間以外は、頭の中はもうずっと拓斗のことばかりだ。
弱っているところで手を差し伸べてくれた人からだと思わなくもない。そう考えて、気持ちをごまかそうともした。
でも、何よりも私を大切にしてくれる拓斗に対する思いは、どうやっても止められそうになかった。
これはもう、拓斗が好きなのだと認めざるを得ない。
「美香。夫婦としてさらに仲を深めたい」
はっきりと言葉にされなくても拓斗が何を言いたいのかすぐにわかって、恥ずかしさで俯いた。
残酷な提案だと思う。心の内に芽吹いた気持ちを必死にごまかそうとしても、こんなふうに求められれば、容易に露呈してしまいそうだ。
けれど、嬉しく思う自分がいるのも否定できない。
これほどまで私を大切にしてくれる拓斗の存在が、自分の中で日に日に大きくなっていると、とっくに気づいていた。私が言うのもおこがましいけれど、それは戦友のようなものだと思い込もうと必死になってきた。
でも……。
ここのところの私は、拓斗が喜べば自分も嬉しくなるし、彼に何かをお願いされればその通りにしたいと無条件に思ってしまう。
朝になって拓斗が仕事に行ってしまうと寂しくなるし、帰ってくる時間が近づけば途端にそわそわと落ち着かなくなる。
結婚してから私に触れてこない彼に、どこか焦れた思いを抱いていたのも事実だ。寝室を共にするなんてとんでもないと思っていたはずなのに。
デザインを考えている時間以外は、頭の中はもうずっと拓斗のことばかりだ。
弱っているところで手を差し伸べてくれた人からだと思わなくもない。そう考えて、気持ちをごまかそうともした。
でも、何よりも私を大切にしてくれる拓斗に対する思いは、どうやっても止められそうになかった。
これはもう、拓斗が好きなのだと認めざるを得ない。