過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
この話は終わりと資料をめくっていると、何かを思い出したように米沢が再び声を発した。
「ああ、そうそう。肝心なことを言い忘れてた。モデルは美香さんと、お相手は社長にお願いすることになっているから」
「は?」
それは一体、どういうことなのだろう?
呆ける私に、米沢が再び苦笑した。
「だってあのドレスは美香さんが着たいと思う、至極の一品なんだろ? 本人が着なくてどうするの。サイズも美香さんに合わせて仕上げたんだし。それに、美香さんの横に他の男を並べるなんて怖くてできないからね」
これは仕事なのだから、最善の選択をしたのであれば拓斗は口を出さないと思うけど……。
でも、私がモデルを務めるとなったら話は別だ。
「で、ですが、モデルなんて無理です!」
「大丈夫。顔ははっきりわからないようにするから。ジャストサイズの美香さんが着た方が、ますます綺麗に見えるはずだしね。これは社長命令でもある」
さいごのダメ押しのひと言は、米沢が面白半分に付け加えたのだと、その表情から読み取れてしまう。
なんだかんだと言い含められて、渋々ながら同意してしまった。
ただ、あのドレスに一番最初に袖を通すのが自分だと思うと、正直すごく嬉しい。それに、現金なもので横に拓斗がいてくれるのなら、大丈夫じゃないかとすら思えてしまう。
「ああ、そうそう。肝心なことを言い忘れてた。モデルは美香さんと、お相手は社長にお願いすることになっているから」
「は?」
それは一体、どういうことなのだろう?
呆ける私に、米沢が再び苦笑した。
「だってあのドレスは美香さんが着たいと思う、至極の一品なんだろ? 本人が着なくてどうするの。サイズも美香さんに合わせて仕上げたんだし。それに、美香さんの横に他の男を並べるなんて怖くてできないからね」
これは仕事なのだから、最善の選択をしたのであれば拓斗は口を出さないと思うけど……。
でも、私がモデルを務めるとなったら話は別だ。
「で、ですが、モデルなんて無理です!」
「大丈夫。顔ははっきりわからないようにするから。ジャストサイズの美香さんが着た方が、ますます綺麗に見えるはずだしね。これは社長命令でもある」
さいごのダメ押しのひと言は、米沢が面白半分に付け加えたのだと、その表情から読み取れてしまう。
なんだかんだと言い含められて、渋々ながら同意してしまった。
ただ、あのドレスに一番最初に袖を通すのが自分だと思うと、正直すごく嬉しい。それに、現金なもので横に拓斗がいてくれるのなら、大丈夫じゃないかとすら思えてしまう。