過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
「おはよう、美香」
「お、おはようござい、ます」
「瞼は……大丈夫そうだね」
思いを通じ合った昨夜、腫れた瞼で撮影に挑むわけにはいかないと途端に慌て出した拓斗が、あれやこれやと私の世話を焼いてくれたのを思い出した。
問題ないのは良かったものの、突然顔を近づけてまじまじと眺められれば、気恥ずかしさに心臓が早鐘を打ち出す。
「さあ、美香。準備しようか」
気のせいだろうか。拓斗との距離感というか接し方が昨日までとは違うように感じる。
今までに輪をかけたように、とにかく近くて甘い。私しか見えないとでもいうような、とろけた目を向けられたら落ち着かなくなってしまう。
拓斗が私を求めてくれているのなら少しでも見合うように堂々としていたいと、撮影に向かう気持ちもずいぶん違う。
迎えに来た車に拓斗と共に乗り込むと、森の教会へ向かった。
「緊張してる?」
「かなり」
ただ隣に拓斗がいると思えば、それだけで大丈夫だと思えてくるから不思議だ。
「美香、楽しめばいいんだ」
そこまでの余裕を持てるかわからないものの、全力で私を大切にしてくれる拓斗に応えるよう、私も笑みを返した。
「美香の原点となった森の教会で、自身で手掛けたドレスを着られるんだ。アローズ絡みの結婚式では自由にさせてあげられない分、せめて今日はその雰囲気を存分に楽しんで欲しい」
申し訳なさそうにする拓斗に、そんなふうに思う必要はないと否定する。
「アローズの結婚式はさらに緊張するでしょうけど、楽しみですよ」
「ありがとう。俺も、妻となった美香をお披露目できるのを楽しみにしてる」
拓斗は私の肩を抱き寄せると、その腕の中に捕えて髪に口づけた。
「お、おはようござい、ます」
「瞼は……大丈夫そうだね」
思いを通じ合った昨夜、腫れた瞼で撮影に挑むわけにはいかないと途端に慌て出した拓斗が、あれやこれやと私の世話を焼いてくれたのを思い出した。
問題ないのは良かったものの、突然顔を近づけてまじまじと眺められれば、気恥ずかしさに心臓が早鐘を打ち出す。
「さあ、美香。準備しようか」
気のせいだろうか。拓斗との距離感というか接し方が昨日までとは違うように感じる。
今までに輪をかけたように、とにかく近くて甘い。私しか見えないとでもいうような、とろけた目を向けられたら落ち着かなくなってしまう。
拓斗が私を求めてくれているのなら少しでも見合うように堂々としていたいと、撮影に向かう気持ちもずいぶん違う。
迎えに来た車に拓斗と共に乗り込むと、森の教会へ向かった。
「緊張してる?」
「かなり」
ただ隣に拓斗がいると思えば、それだけで大丈夫だと思えてくるから不思議だ。
「美香、楽しめばいいんだ」
そこまでの余裕を持てるかわからないものの、全力で私を大切にしてくれる拓斗に応えるよう、私も笑みを返した。
「美香の原点となった森の教会で、自身で手掛けたドレスを着られるんだ。アローズ絡みの結婚式では自由にさせてあげられない分、せめて今日はその雰囲気を存分に楽しんで欲しい」
申し訳なさそうにする拓斗に、そんなふうに思う必要はないと否定する。
「アローズの結婚式はさらに緊張するでしょうけど、楽しみですよ」
「ありがとう。俺も、妻となった美香をお披露目できるのを楽しみにしてる」
拓斗は私の肩を抱き寄せると、その腕の中に捕えて髪に口づけた。