過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
拓斗に背中を押されて控室に入ると、すでにメイクやヘアレンジの担当者が待っていた。そこに、ドレスの微調整が必要になったときのために真由子も控えている。
「よろしくお願いします」
「任せてくださいね」
顔ははっきりさせないとわかっているものの、やはりモデルを務めるとなればできる限り綺麗にしてもらいたい。しかも、ウエディングドレスを着るのだからなおさらだ。
世の新婦は、このドレスを着る日は誰よりも輝いていたいと思うだろう。今の私もまさしくその心境だ。
用意してあるドレスを改めて眺めると、本当に理想通りだと思わず笑みが浮かんでくる。
このドレスを完成させるには、真由子はもちろんのこと、久々莉の手も借りた。ほかにも、私の好きなようにやらせてくれた会社のみんな。そして、プライベートでも支えてくれた拓斗。
たくさんの人の協力によって仕上げられたのだと思うと、感慨深くなる。決して私ひとりでは完成させられなかったものだ。
「やっぱり、このドレスは美香のものねぇ」
ドレスを纏った私を見て呟く真由子に、思わず苦笑する。
「なんだか含みのある言い方だね」
「だってそうでしょ? 至極の一着だって言ってたじゃない。着る人を想定して作ったからこそ、サイズも雰囲気も何もかもぴったりなのよ」
真由子の後ろに立つふたりの女性も、うんうんと笑顔で頷いている。
そうやって主役の気分を盛り立てるのも役割のうちなのだろうと穿った見方をしてしまうのは、半分は照れ隠しだ。
「本当に、よくお似合いですよ」
「あ、ありがとうございます」
恥ずかしげな私に、真由子が意味深な視線を向けてくる。
「よろしくお願いします」
「任せてくださいね」
顔ははっきりさせないとわかっているものの、やはりモデルを務めるとなればできる限り綺麗にしてもらいたい。しかも、ウエディングドレスを着るのだからなおさらだ。
世の新婦は、このドレスを着る日は誰よりも輝いていたいと思うだろう。今の私もまさしくその心境だ。
用意してあるドレスを改めて眺めると、本当に理想通りだと思わず笑みが浮かんでくる。
このドレスを完成させるには、真由子はもちろんのこと、久々莉の手も借りた。ほかにも、私の好きなようにやらせてくれた会社のみんな。そして、プライベートでも支えてくれた拓斗。
たくさんの人の協力によって仕上げられたのだと思うと、感慨深くなる。決して私ひとりでは完成させられなかったものだ。
「やっぱり、このドレスは美香のものねぇ」
ドレスを纏った私を見て呟く真由子に、思わず苦笑する。
「なんだか含みのある言い方だね」
「だってそうでしょ? 至極の一着だって言ってたじゃない。着る人を想定して作ったからこそ、サイズも雰囲気も何もかもぴったりなのよ」
真由子の後ろに立つふたりの女性も、うんうんと笑顔で頷いている。
そうやって主役の気分を盛り立てるのも役割のうちなのだろうと穿った見方をしてしまうのは、半分は照れ隠しだ。
「本当に、よくお似合いですよ」
「あ、ありがとうございます」
恥ずかしげな私に、真由子が意味深な視線を向けてくる。