過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
「美香」
鏡を見つめたままの私に、真由子が焦れたように声をかけてくる。
「少し、ここで歩いてみようか」
真由子に手を取られて、そっと歩き出した。履き慣れないヒールの高い靴のせいで、歩調は危ういものになってしまう。
それもしばらくすれば、及び腰だったのがなんとか背筋を伸ばして歩けるようになってきた。
「ほら、美香」
一息ついた時に真由子が差し出してきたハンカチに、首を傾げる。
少し動いたぐらいだし、涼しい室内で汗ばむでもない。
「これ、私のハンカチだから。サムシングボロードよ」
「え?」
もちろん、私だってサムシングフォーは知っている。
これまで対応してきた客の中には、母親や友人の使用したベールを使用したいと、ドレスのデザインを考える段階で持ってきた人もいた。
でも、今日は撮影にすぎず、そこまで本格的な用意は求められていない。
「どうして?」
「これも、幸せな花嫁に仕立てるアイテムよ」
首を捻りながらも、とりあえず拒否する理由もなくて受け取った。
「さあ美香、時間よ。行きましょう」
鏡を見つめたままの私に、真由子が焦れたように声をかけてくる。
「少し、ここで歩いてみようか」
真由子に手を取られて、そっと歩き出した。履き慣れないヒールの高い靴のせいで、歩調は危ういものになってしまう。
それもしばらくすれば、及び腰だったのがなんとか背筋を伸ばして歩けるようになってきた。
「ほら、美香」
一息ついた時に真由子が差し出してきたハンカチに、首を傾げる。
少し動いたぐらいだし、涼しい室内で汗ばむでもない。
「これ、私のハンカチだから。サムシングボロードよ」
「え?」
もちろん、私だってサムシングフォーは知っている。
これまで対応してきた客の中には、母親や友人の使用したベールを使用したいと、ドレスのデザインを考える段階で持ってきた人もいた。
でも、今日は撮影にすぎず、そこまで本格的な用意は求められていない。
「どうして?」
「これも、幸せな花嫁に仕立てるアイテムよ」
首を捻りながらも、とりあえず拒否する理由もなくて受け取った。
「さあ美香、時間よ。行きましょう」