過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
「久々莉さん、この写真を見てください」
はやる気持ちを押さえつつ、一目見て気に入った教会の写真を差し出した。義姉は驚きつつも受け取ると、じっくりと眺めていた。
「雰囲気のある教会ね。どうしたの、これ」
写真を趣味としている友人に、たまたま見せられた一枚だ。
第一印象は、この教会で挙げる結婚式には美香のデザインするドレスが似合いそう、だった。
そう思ったらいてもたってもいられず、教会についてすぐさま調べ、運よく売り出されていると知るとなんの迷いもなく買い取っていた。
美香に話した、アローズではできないプライベートな結婚式を挙げられる事業を立ち上げたいという俺の思いはうそではない。が、出発点は違う。
美香に出会って、彼女のデザインを見て、それが生かされるウエディングプランを立ててみたい。それがスタートだった。
『野々原さんのために会社を立ち上げたの!?』と驚きを隠せなかった義姉を、今でも覚えている。
美香が協力してくれる保障など何もなかったが、そうなるように仕向けていくと決めていた。どんな形であれ、彼女の近くにいられる環境をつくりたかった。
タイミングよくして大学の後輩である米沢から、自身の勤める会社に嫌気がさして転職を考えていると相談を受けており、優秀な彼に紹介できる先を検討していたところだ。いっそのこと、自分の立ち上げる事業に参加してみないかと持ち掛けると、面白そうだと即了承してくれた。それ以降、秘密裏に事業は動き出していった。
はやる気持ちを押さえつつ、一目見て気に入った教会の写真を差し出した。義姉は驚きつつも受け取ると、じっくりと眺めていた。
「雰囲気のある教会ね。どうしたの、これ」
写真を趣味としている友人に、たまたま見せられた一枚だ。
第一印象は、この教会で挙げる結婚式には美香のデザインするドレスが似合いそう、だった。
そう思ったらいてもたってもいられず、教会についてすぐさま調べ、運よく売り出されていると知るとなんの迷いもなく買い取っていた。
美香に話した、アローズではできないプライベートな結婚式を挙げられる事業を立ち上げたいという俺の思いはうそではない。が、出発点は違う。
美香に出会って、彼女のデザインを見て、それが生かされるウエディングプランを立ててみたい。それがスタートだった。
『野々原さんのために会社を立ち上げたの!?』と驚きを隠せなかった義姉を、今でも覚えている。
美香が協力してくれる保障など何もなかったが、そうなるように仕向けていくと決めていた。どんな形であれ、彼女の近くにいられる環境をつくりたかった。
タイミングよくして大学の後輩である米沢から、自身の勤める会社に嫌気がさして転職を考えていると相談を受けており、優秀な彼に紹介できる先を検討していたところだ。いっそのこと、自分の立ち上げる事業に参加してみないかと持ち掛けると、面白そうだと即了承してくれた。それ以降、秘密裏に事業は動き出していった。