過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
「美香が望むなら、さらにデザインを学ぶ場の提供もできる。それぐらいの人脈はある。それから、結婚したからと美香を家庭に縛るつもりもない。仕事だけでなく、やりたいことを優先してくれてかまわない」
今回の研修だって、またとないチャンスだった。さらに学ぶ場を得られるのは、私にとってプラスになる。
おまけに彼は、私の希望を優先していいと言う。今までのように、帰宅した後もデザインと向き合っていてもかまわないのだろうか?
あり得ないと思っていたはずなのに、だんだん持ち掛けられた話を具体的に想像している私がいると気づいて、慌てて頭を振った。
「魅力的な話ではありますが、すぐには答えられません。私、あなたについてほとんど知らないですし」
「まあ、そうだろうね。ただ、お互いを知るのは結婚してからでもいいと俺は思っている。すまないが、長くは待てない。期限は君が帰国するまでだ。それまでにじっくり考えてみて欲しい。受け入れてくれるのなら、帰国後すぐに入籍したい」
「すぐに!?」
そこまで急ぐ理由があるのだろうか。
「ああ、そうだ」
この話はここまでというようににこやかな表情になった拓斗は、あっけにとられる私をよそに、彼がこの国に来て見つけた面白いものや自分の趣味の話などを始めた。どうにも腑に落ちないけれど、教えてくれる気がない以上は仕方がない。
今回の研修だって、またとないチャンスだった。さらに学ぶ場を得られるのは、私にとってプラスになる。
おまけに彼は、私の希望を優先していいと言う。今までのように、帰宅した後もデザインと向き合っていてもかまわないのだろうか?
あり得ないと思っていたはずなのに、だんだん持ち掛けられた話を具体的に想像している私がいると気づいて、慌てて頭を振った。
「魅力的な話ではありますが、すぐには答えられません。私、あなたについてほとんど知らないですし」
「まあ、そうだろうね。ただ、お互いを知るのは結婚してからでもいいと俺は思っている。すまないが、長くは待てない。期限は君が帰国するまでだ。それまでにじっくり考えてみて欲しい。受け入れてくれるのなら、帰国後すぐに入籍したい」
「すぐに!?」
そこまで急ぐ理由があるのだろうか。
「ああ、そうだ」
この話はここまでというようににこやかな表情になった拓斗は、あっけにとられる私をよそに、彼がこの国に来て見つけた面白いものや自分の趣味の話などを始めた。どうにも腑に落ちないけれど、教えてくれる気がない以上は仕方がない。