過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
「わかった。悪いようにはしない。その上司については、俺の方で手を回しておこう。それで美香の処遇だけど、フェリーチェには俺の名前を出して美香の引き抜きを了承させるつもりでいる」
「引き抜く?」
てっきり退職の手続きを進めるのだと思っていたが、拓斗の提案は私の予想を大きく裏切った。
「そうだ。前に話した通り、俺はデザイナーとしての美香を必要としているんだから当然だ。それに、これは美香の名誉を守るためでもある。何も悪くない美香を貶めるなんて、絶対にさせない。そのためにも、先手を打って動き出させてもらう。合わせて俺たちが婚約していると公表して、桐嶋の虚言についても拡散を阻止する」
『守ってやる』と言った通り、拓斗はそれを実行しようとしている。
なんの後ろ盾もない駆け出しのデザイナーなんて、悪い噂がついて回ればほかで雇ってもらうのも難しくなるかもしれない。そうならないように、私を守ってくれると拓斗は言っているのだ。
ついていくと決めた以上、私に異論はない。
「わかりました。よろしくお願いします」
「ああ」
専門学校を卒業して以来ずっとお世話になってきたフェリーチェを去るのは、やはりどこか寂しく思う。でも理解してもらえない以上、固執しても意味がない。
「引き抜く?」
てっきり退職の手続きを進めるのだと思っていたが、拓斗の提案は私の予想を大きく裏切った。
「そうだ。前に話した通り、俺はデザイナーとしての美香を必要としているんだから当然だ。それに、これは美香の名誉を守るためでもある。何も悪くない美香を貶めるなんて、絶対にさせない。そのためにも、先手を打って動き出させてもらう。合わせて俺たちが婚約していると公表して、桐嶋の虚言についても拡散を阻止する」
『守ってやる』と言った通り、拓斗はそれを実行しようとしている。
なんの後ろ盾もない駆け出しのデザイナーなんて、悪い噂がついて回ればほかで雇ってもらうのも難しくなるかもしれない。そうならないように、私を守ってくれると拓斗は言っているのだ。
ついていくと決めた以上、私に異論はない。
「わかりました。よろしくお願いします」
「ああ」
専門学校を卒業して以来ずっとお世話になってきたフェリーチェを去るのは、やはりどこか寂しく思う。でも理解してもらえない以上、固執しても意味がない。