過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
この一週間後。ふたり一緒に帰国した翌日に、拓斗は真っ先に私の実家へ行き、結婚の許可を最短で得た。
想像した通り母は熨斗をつけて私を差し出す勢いで、こちらが恥ずかしくなるほどだった。
対する父は、『この人の妻が務まるのか?』と心配したものの、母の勢いに押されてすぐさま賛成に転じていた。
両親はよほど私の結婚が気がかりだったのだろうと、申し訳なくなってくる。こんな姿を目にしたら、拓斗との結婚に至ったいきさつは絶対に知られてはいけないと確信した。
さらにその翌日には、拓斗のご両親と顔を合わせていた。
ふたりとも一企業を率いる人物だとは全く感じさない、穏やかな雰囲気だった。終始和やかな様子で、なぜか手放しで私を受け入れてくれた。それに安堵はしたものの、いっさい反対がなく、入籍を急ぐなと諫めようとするそぶりもない様子に、若干首を傾げた。
それについて後から拓斗に聞けば、以前話していた通りご両親をはじめ彼の周りの人たちは早く身を固めて欲しいと言い続けいたようだ。
そんな中拓斗のご両親は、当の本人に少し前から紹介したい人がいると聞かされて期待を煽られ、小出しにされる情報に心躍らされてきた。聞けば相手は自社と通じる職種に就いており、海外へ研修まで行かせてもらえるような優秀な女性で、人柄も申し分ないという。それだけで、ご両親の気持ちはかなり浮ついていたようだ。
なんだか実態以上に持ち上げられてしまい、怖くなってくる。
さすがに籍を入れるだけというわけにもいかず、一年後を目安に結婚式を挙げるよう日程調整に動くそうだ。アローズの副社長という立場もあるため、相当な規模になるだろうと聞かされて怖くなってくる。それほど大掛かりな式の準備が一年で大丈夫かとも思ったが、相手は創業者一族なのだ。多少の無理は効くのだろう。
想像した通り母は熨斗をつけて私を差し出す勢いで、こちらが恥ずかしくなるほどだった。
対する父は、『この人の妻が務まるのか?』と心配したものの、母の勢いに押されてすぐさま賛成に転じていた。
両親はよほど私の結婚が気がかりだったのだろうと、申し訳なくなってくる。こんな姿を目にしたら、拓斗との結婚に至ったいきさつは絶対に知られてはいけないと確信した。
さらにその翌日には、拓斗のご両親と顔を合わせていた。
ふたりとも一企業を率いる人物だとは全く感じさない、穏やかな雰囲気だった。終始和やかな様子で、なぜか手放しで私を受け入れてくれた。それに安堵はしたものの、いっさい反対がなく、入籍を急ぐなと諫めようとするそぶりもない様子に、若干首を傾げた。
それについて後から拓斗に聞けば、以前話していた通りご両親をはじめ彼の周りの人たちは早く身を固めて欲しいと言い続けいたようだ。
そんな中拓斗のご両親は、当の本人に少し前から紹介したい人がいると聞かされて期待を煽られ、小出しにされる情報に心躍らされてきた。聞けば相手は自社と通じる職種に就いており、海外へ研修まで行かせてもらえるような優秀な女性で、人柄も申し分ないという。それだけで、ご両親の気持ちはかなり浮ついていたようだ。
なんだか実態以上に持ち上げられてしまい、怖くなってくる。
さすがに籍を入れるだけというわけにもいかず、一年後を目安に結婚式を挙げるよう日程調整に動くそうだ。アローズの副社長という立場もあるため、相当な規模になるだろうと聞かされて怖くなってくる。それほど大掛かりな式の準備が一年で大丈夫かとも思ったが、相手は創業者一族なのだ。多少の無理は効くのだろう。