滲み出る虹
涼はあの日からまだ外に出ていない。もちろん丘には行っていない。会いたいと思う気持ちはあったが、それよりどんな顔をしたらいいかわからなかった。


気分はブルー。涼は落ち込んでいた。それでも普段と変わらず食事をとり、宿題をし、何事もなくのほほんと過ごしている自分に腹がたった。それでも何をするわけでもない。心のどこかで時が癒してくれる、忘れちゃえばいいんだと言い聞かせこそするが。


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