滲み出る虹
「久しぶりに散歩でも行くか」

それは散歩という名の逃亡。どこか行ったこともない所へ行きたかった。


ゆったりと身仕度を終えると家を出た。街は予想以上に静かだった。それが心地よくも思えたし、寂しくも思えた。


涼は気をぬくと道路の真ん中にでも飛び出してしまいそうだったのでその点にだけ注意をした。




「奈々は元気にしてるかな?」
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